クリスマスツリーの起源はりんごの木!?

りんごやオーナメントを飾りつけしたりんごの木

クリスマスツリーの始まりについては諸説ありますが、りんごの木が起源ではないかという説もあります。

もともとイエス・キリストの誕生日は聖書にもどこにも記してありません。3世紀頃までは、各地でてんでばらばらに4月だったり8月だったりに各々が降誕祭を祝っていました。

その後326年にローマ皇帝コンスタンチヌス大帝がベツレヘムに生誕教会を建立し、この時あたりから12月25日に降誕祭が統一されていったと云われています。12月25日は地中海一帯で信仰されていた太陽神ミトラスの主祭日で、また北欧の冬至祭の日でもあり、そこにキリスト教の救世主降誕祭が加わり、3つの光の祭事が合体したもの、それが4世紀以降のクリスマスの起源と云われています。

ヨーロッパのあたたかい地域で始まったクリスマスですが、クリスマス文化が北上していくうちに、アルプスを越えドイツに伝播した中世のころに爆発的に花開いてゆきます。
中世のドイツでは、12月24日のクリスマスイブに上演されていたアダムとイヴの舞台劇で、りんごの木が用いられていたようですが、ドイツの寒い時期に花や葉のついているりんごの木を見つけるのは困難だったことから、代わりにドイツの国土にたくさん自生していた常緑樹のモミやドイツトウヒの木を使い、それにりんごの実をぶら下げたという説もあります。

ちなみに、ドイツ東部ではセイヨウイチイ、ドイツ南西部ではツゲ、スイスではセイヨウヒイラギ、と各地に自生する常緑樹で代用したとあり、これらは今でもクリスマスツリーとして飾られています。
寒い地域で寒い時期に、葉のついたりんごの木を探すのは大変だったことだろうと、当時の舞台劇の人々のりんごの木を探す右往左往する姿まで想像できるエピソードですね。

探してきた常緑樹に真っ赤なりんごを吊るして、なんとかアダムとイブの世界観を表現しようとした人々の「りんごをあきらめない気持ち」が、今私たちを楽しませてくれるクリスマスツリーに繋がっているのかと思うと感無量です。

りんごの木のクリスマスツリー
りんごの木のクリスマスツリー
りんごの木のクリスマスツリー

本物のりんごの木に色とりどりのりんごやオーナメントを吊るしてりんごツリーに挑戦!

生のりんごやオーナメントを飾りつけしたりんごの木のクリスマスツリー
完成したりんごの木のクリスマスツリー

監修

クリスマス研究家清春 旅と空想の美術館 館長清水 純子

クリスマス研究家 清春 旅と空想の美術館 館長 清水 純子