あおもりりんご for キッズ

新しい品種(ひんしゅ)はどうやって作られる?(品種改良(かいりょう)

交雑育種による品種改良

りんごの新しい品種を作り出すことを「品種改良」と言います。りんごの花のめしべ(母親)に、(ほか)種類(しゅるい)のりんごの花粉(かふん)(父親)をつける「交雑育種(こうざついくしゅ)」という方法(ほうほう)で行います。

「こういう見た目や(あじ)がいいな」「収穫時期(しゅうかくじき)はこれくらいにしたいな」など、作りたいりんごのイメージを()めます。

作りたいりんごのイメージ

イメージしたりんごに()ているりんごの品種を(えら)交配(こうはい)(めしべに花粉をつける)します。

受粉""

交配してできたりんご(果実(かじつ))から(たね)()り出します。

りんごの種

その種を()えて(そだ)てます。

木ごとに(ちが)特徴(とくちょう)をもったりんごがなります。
(たと)えば、1()のりんごから取った10(つぶ)の種をまいて育てると、10本の木にはそれぞれ特徴の違うりんごがなります。赤いりんごがなる木、黄色いりんごがなる木、味も甘かったり、()っぱかったり色々です)

りんごの木

これらの中から、新品種として育てたいものを選んでいきます。
(りんごの見た目や味のほかにも、農家(のうか)さんが栽培(さいばい)しやすいか、病気(びょうき)にかかりにくいかなど、色々な条件(じょうけん)を考えて慎重(しんちょう)に選んでいきます)

新品種が誕生(たんじょう)

りんご博士
りんご博士(はかせ)

新しい品種になれるのは5,000 粒の種をまいても1つあるかないか。だから、たくさんの木を育てなければならず、とっても手間がかかる。それから、新品種を作るのにはとても長い時間がかかり、20年以上(いじょう)もかかるんじゃ。

例えば、青森県(あおもりけん)のりんご研究所(けんきゅうじょ)育成(いくせい)された「(べに)はつみ」という新品種は、平成(へいせい)30年に品種登録(とうろく)されたけれど、品種改良がはじまったのは平成4年。品種登録まで26年もかかっている。

だから、りんごの品種改良をするときは、20年後の気候(きこう)消費者(しょうひしゃ)(りんごを買って食べてくれる人たち)がその時どんなりんごの味や見た目を(この)むようになっているかまで考える必要(ひつよう)があるんじゃな。

紅はつみ

枝変わりによる品種改良

「品種改良」の方法には、ほかにも「枝変(えだが)わり」を利用(りよう)するものがあります。「枝変わり」というのは、突然変異(とつぜんへんい)のことです。例えば、1本のりんごの木があったとします。その木になるりんごはあまりキレイに赤く色づきません。ところが、突然、ある一部(いちぶ)の枝になる()だけが()()に色づくようになることがあります。

これは、この枝が他の枝とは違う特徴に変わったということ。これを「枝変わり」といいます。この「枝変わり」した部分(ぶぶん)の枝を()やして新しい品種を作ります。

枝変わりによる品種改良

りんご博士
りんご博士

みんなが大好(だいす)きな「ふじ」。品種ができて(はじ)めのころ、味はとびきり美味(おい)しいのに、色がキレイにつかなくてあまり美味しそうに見えなかった。だからキレイに色が()く「ふじ」を作ろうと、「枝変わり」を利用して品種改良が(さか)んに行われたんじゃ。今、スーパーでよく見かけるキレイな色をした「ふじ」は、品種改良の結果(けっか)誕生したもので、元々の「ふじ」の「枝変わり」が多いんじゃよ。

昔のふじ
(むかし)の「ふじ」
品種改良されたふじ
品種改良されたふじ

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