りんごの栄養価
一日一個のりんごは医者を遠ざける!?
「一日一個のりんごは医者を遠ざける」という西洋のことわざをご存じですか? りんごには、腸内環境の改善に役立つ「食物繊維」や血圧を下げる効果がある「カリウム」などが多く含まれています。 「毎日くだもの200グラム」を目標に、りんごを食べる食習慣をつけましょう。
りんごに含まれている栄養素
一般的な食品に含まれる主要な栄養素
※横にスクロールできます
分類 | 栄養成分名 | 主な働き | りんごに 含まれて いる成分 |
りんご皮つき 100g当たり の含有量 |
|
---|---|---|---|---|---|
たんぱく質 | たんぱく質 | 筋肉や臓器など体を構成する要素として非常に重要なもの。酵素やホルモン、免疫物質としてさまざまな機能を担っています。 | 0.2g | ||
脂質 | 脂質 | 体内でエネルギー源として、あるいは細胞膜を構成しています。 | 0.3g | ||
炭水化物 | 炭水化物 | エネルギーの素となる栄養素。体内に吸収されてエネルギー源になる「糖質」と、消化されない「食物繊維」に分けられます。 | 16.2g | ||
食物繊維 | 体内に吸収されないが、健康のためには重要な役割を果たしています。さまざまな生活習慣病の予防、腸内環境が改善します。 | 1.9g | |||
糖類 | 「単糖類・二糖類」の総称で「糖質」から「多糖類・糖アルコールなど」を除いた総称です。 | 14.3g | |||
ビタミン | 脂溶性 ビタミン |
ビタミンA | 目や皮膚の粘膜を健康に保ち、抵抗力と強める働きをします。 | 2㎍ | |
ビタミンD | 正常な骨格と歯の発育促進に重要です。また、神経伝達や筋肉の収縮などを正常に行う働きがあります。 | ||||
ビタミンE | 抗酸化作用が強く、過酸化脂質の生成を抑制し、血管を健康に保ちます。細胞の酸化を防ぎ、老化防止に効果があります。 | 0.4mg | |||
ビタミンK | 血液の凝固に関与しています。丈夫な骨づくりにも不可欠で骨の形成を促す作用があります。 | 2㎍ | |||
水溶性 ビタミン |
ビタミンB1 | 糖質のエネルギー産生に関与しています。糖質を多く摂る人やよく体を動かす人は、エネルギーの産生が盛んなため、より多くのビタミンB1が必要です。 | 0.02mg | ||
ビタミンB2 | 3大栄養素のエネルギー産生に関与します。また、発育促進の役割を果たすほか、皮膚、髪、爪などの細胞の再生に関与しています。 | 0.01mg | |||
ナイアシン | ビタミンB群の一種です。3大栄養素の代謝、エネルギー産生に関与しています。 | (0.1)mg | |||
ビタミンB6 | たんぱく質の分解や再合成を助けます。免疫機能の働きの維持、皮膚の抵抗力、赤血球のヘモグロビンの合成、神経伝達物質の合成などの生理作用もあります。 | 0.04mg | |||
ビタミンB12 | 造血作用にかかわるにビタミンです。赤血球の成熟に関与し、葉酸とともに骨髄で正常な赤血球をつくります。 | ||||
葉酸 | 細胞の生産や再生を助け、体の発育に重要なビタミンです。特に胎児にとっては重要な栄養成分です。 | 3㎍ | |||
パントテン酸 | ビタミンのひとつです。エネルギー産生を円滑にしたり、ストレスへの抵抗力をつける働きなどに関与しています。 | 0.05mg | |||
ビオチン | ビオチンはビタミンB群に属します。エネルギーをつくりだす手助けをしています。皮膚や粘膜の維持、爪や髪の健康に関わっています。 | 0.7㎍ | |||
ビタミンC | 骨や腱などのコラーゲンの生成に必須の化合物です。毛細血管・歯・軟骨などを正常に保ち、日焼けを防ぐ作用やストレスやかぜなどの病気に対する抵抗力を強めます。がんや動脈硬化の予防や老化防止に有効です。 | 6mg | |||
ミネラル | 多量 ミネラル |
ナトリウム | 主に食塩の形で摂取されています。体内の水分バランスの維持し、血圧を調節しています。酸・塩基平衡、筋肉の収縮、神経の情報伝達、栄養素の吸収・輸送などにも関与しています。 | ||
カリウム | 細胞の中に多く含まれるミネラルで、細胞の機能を調整し、生命維持に欠かせません。血圧を下げる効果もあります。 | 120mg | |||
カルシウム | 歯や骨の主要な構成成分になります。日本人に不足しがちなミネラルです。 | 4mg | |||
マグネシウム | 栄養素の合成・分解過程や、遺伝情報の発現や神経伝達などに関与しています。カルシウムと拮抗して筋収縮を制御したり、血管を拡張させて血圧を下げたり、血小板の凝集を抑え血栓を作りにくくしたりする作用もあります。 | 5mg | |||
リン | 骨や歯の正常な発達に不可欠な成分です。また、生体内での重要な成分の構成要素として、さまざまな代謝反応に関与しています。細胞の生命活動に欠かせない栄養素です。 | 12mg | |||
微量 ミネラル |
鉄 | 血液中のヘモグロビンの構成成分になります。鉄分が不足すると鉄欠乏性貧血になります。 | 0.1mg | ||
亜鉛 | さまざまな生体内の反応に関与しています。細胞の形成や新陳代謝を促したり、免疫反応などにかかわっています。 | 0.1mg | |||
銅 | 貧血予防に欠かせないミネラルです。免疫力を高める効果、動脈硬化の予防効果があります。 | 0.05mg | |||
マンガン | 骨の発育に重要なミネラルです。また、糖脂質代謝、運動機能、皮膚代謝など多くの酵素反応に関与しています。 | 0.04mg |
上記栄養素のほか、疲労回復や消化促進などの作用があるりんご酸や高い抗酸化力のあるりんごポリフェノールの一種「プロシアニジン」なども含まれています。
表の監修:川口美喜子 大妻女子大学家政学部特任教授、札幌保険医療大学大学院教授 管理栄養士、医学博士・がん病態栄養並びにスポーツ栄養
強い抗酸化力が話題のポリフェノール
ポリフェノールは抗酸化作用、老化を促進させる活性酸素の抑制、生活習慣によって生じる様々な不調のケアなどに役立つと言われ、その種類は数千にもなります。
りんごには様々なポリフェノールが含まれていますが、主成分の「プロシアニジン」には特に強い抗酸化作用があることがわかっており、今健康・美容業界から注目されています。
「プロシアニジン」は
といった作用があるという研究結果が発表されています。「内臓脂肪を減らす」機能性表示食品としてのりんご
りんご由来のプロシアニジンが加工食品として機能性表示食品に届けられた例※1があります。最近では、青森県内でりんごの取り扱い量が多いJAが、生果として初めて、りんごを機能性表示食品に届け出て※2話題となっています。
※1:届け出た機能性「体脂肪が気になる方のお腹の脂肪を減らす」
※2:届け出た機能性「内臓脂肪へ減らす」 商品名:JAつがる弘前「プライムアップル!」(ふじ)
スターカット
りんごを横にし、お好みの幅にスライスするだけ。芯の部分が星☆のマークに見えることから「スターカット」と呼ばれています。
皮の面積が少ない分、皮が苦手な方でも気にならず食べられます。皮や皮の近くに多い食物繊維やビタミン類をむだなく摂ることができる上、小さなお子様でも食べやすい切り方です。芯の部分を型抜きすると、見た目も華やかに。
【参考】
※厚生労働省「統合医療」情報サイト http://www.ejim.ncgg.go.jp/public/index.html
※厚生労働省e-ヘルスネット https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
※リンゴポリフェノールの健康機能性とその活用 – 著者:庄司俊彦(国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 果樹研究所)https://www.jstage.jst.go.jp/article/nskkk/63/1/63_57/_pdf
※果実・果汁飲料と機能性成分(4)リンゴと機能性成分-リンゴポリフェノールの科学- – 著者:庄司俊彦(国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 果樹研究所)「食品と容器」2013年vol.54